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WPC工法とはWPC工法の技術と性能について

WPC工法とは

WPC工法とは、Wall Precast Concrete=壁式プレキャスト鉄筋コンクリート工法。
あらかじめ工場で製造された高品質な鉄筋コンクリートパネル(PCパネル)を組み立てて、
強固に一体化した箱とする構造(工法)です。

強さの秘密は強靭なPCパネル

パネル断面

高品質・高強度のPCパネル

建物の壁や床に使用されるPCパネルは認定工場で厳格な管理のもとに製作されるため、季節や天候に左右されやすい現場打ちのコンクリートと比べると、高い強度と耐久性をもち、コンクリートの品質にバラツキのないとてもクオリティーの高い構造部材です。

また、精度が高く品質が一定のうえ、吸水性が非常に小さいため、高い精度と水密性が要求される上下水道や河川護岸、トンネル、橋梁などの土木部材としても使用されています。

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性能1:耐震性 災害に強いWPC工法

実証された耐震性

PCパネル

「お隣は全壊だったのに、
うちはガラス一枚割れなかった。」
阪神大震災直後 神戸市灘区 中田邸

うちは阪神高速の高架が倒れた場所のすぐ近くで、震災でも一番被害の多かった地区。ご近所は見るも無残な姿だったのに、我が家は全くの無傷でした。サッシの歪みもなく、窓ガラス1枚割れなかった。 なんてすごい建物なんだろうと、レスコハウスの強さに驚きました。 余震の時も家の中は安心で、シェルターのようだと思ったもの。いつもと変わらぬ生活ができたこの家。 これからも心から安心して暮らせます。

シュミレーション

地震による揺れのシュミレーション

WPC工法のPCパネルによる壁式構造が他工法に比べ、地震に対する揺れ(変形)がいかに小さく細かいかを、阪神大震災で実際に観測された地震波でシミュレーションし、アニメーション化しています。

【比較】 WPC工法と軽量鉄骨軸組構造 壁や床といった「面」で構成する壁式構造と、柱や梁、筋交い(ブレース)といった「線」で構成する軽量鉄骨軸組構造の、強い地震に対してのそれぞれの揺れ方を比較します。

【ポイント】
シュミレーションの結果、WPC工法と鉄骨造の揺れの大きさの比率は、WPC工法1に対して鉄骨造は5から10という結果になりました。鉄骨造や在来木造は、柔構造なので地震の力を吸収し、大きな地震でも倒壊しないよう設計されています。しかし実際には大きく揺れるため、サッシや外装材などに損傷が生じる可能性が非常に高いです。
WPC工法は揺れが小さいので、外部の損傷は最小限に。また、室内の家具の転倒などによる二次災害や地震の恐怖感も抑えることができます。

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性能2:耐火性 火に強いコンクリート

燃えないPCパネルが構造部材

火に強いPCパネル

構造躯体のすべてが火に強いPCパネルを使ったWPC工法は、外部からの火災による延焼を防ぐだけでなく、内部からの火災についても、耐力低下が小さく内部の被害を最小限にとどめ、隣家への延焼を抑える工法です。
構造材自体が不燃材料であるコンクリート造は、火に強い構造材料と言えます。木造や鉄骨造は、外装材に耐火材を使っていても内側からの火に弱く、また内装材に石こうボードを使っていても、石こうボードの耐火時間は10分間しかもちません。
火災には構造躯体自体に優れた耐火性能を有するWPC工法のが有効的だと言えます 。


延焼に強いパネルが被害拡大を防ぐ

火災で恐ろしいのは類焼や延焼です。木造住宅では、これを避けるのはまずむずかしいと言えるでしょう。しかし、耐火構造のコンクリート住宅であるWPC工法なら、被害を最小限にくい止めることが可能です。消防白書のデータを見ても木造住宅の延焼率が27.7%なのに対し、コンクリート住宅は3.7%と優れた耐火性を示しています。

構造体別延焼率(平成19年消防白書より)

  平成18年度
延焼率 1件当たり焼損床面積
耐火造
(レスコハウス)
3.7% 8.3m²
準耐火非木造 11.1% 42.7m²
木造 27.7% 65.8m²
延焼写真

耐火構造の鉄筋コンクリート住宅であるWPC工法は、火災に対して抜群の強さを発揮します。ALC住宅は、外壁材であるALC板自体はコンクリート製品のため、火災には強いのですが、軽量鉄骨造であるため、火災時には1000℃にも上る熱の中では、鉄骨が完全に変型してしまいます。WPC工法なら、1000℃の熱にも構造体の強度が損なわれる心配はありません。

火災保険料は木造の約1/3

火災保険

家屋の火災保険料率は、構造別にAからD級分かれます。
WPC工法は火災保険料率が住宅最高基準A構造にランクされ、保険料は木造の約1/3ですみます。

※地域及び保険内容によって異なってきますので、事前に各保険会社等にお問合せ下さい。

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性能3:耐久性 高品質・高耐久のPCパネル

吸水実験

水をはじく高密度PCが劣化・腐食を防ぐ

現場打ちコンクリートより密実であるPCは高い水密性(撥水性)を持つと同時に施工後の乾燥収縮によるヒビ割れなどが起きにくくなり、水が浸み込むことによるコンクリートの劣化や鉄筋の腐食といった強度の低下を招く心配がありません。阪神大震災で大きな被害を出した鉄筋コンクリート造の中にはコンクリートの劣化や鉄筋の腐食によって耐力を低下させていたケースが見られましたが、品質管理の行き届いたPCでは考えられないことです。高い水密性は高耐久の不可欠条件なのです。

吸水実験

現場打ちではできない硬練りコンクリート

【スランプ試験】
コンクリートの原料はセメントと骨材(砂利・砂)です。これに水を加えると水和反応という化学反応が起こって固まります。固めるために必要な量以上の水分は、逆にコンクリートの強度を弱めるなど悪影響を及ぼします。現場打ちでは、大きく複雑な型枠の隅々まで打設する為に大きな流動性が必要で、余分な水を入れざるをえません。一方工場で1枚ずつ浅く小さな面積の型枠に打設するPCでは理想的水分量の硬練りコンクリートが使えるのです。

※スランプ試験とはスランプコーンと呼ばれる検査用のバケツに生コンクリートを入れ床の上に置きます。コーンを上に引き抜くと、生コンは自重で下がりながら広がります。この下がり方が大きい程水分が多く柔いコンクリートで、下がり方が小さい程硬い良質なコンクリートなのです。

圧縮強度

圧縮強度は現場打ちの1.5倍

【圧縮強度試験】
硬練りコンクリートを高周波バイブレーターで振動を与えて締固め、高温の蒸気養生で早期一定の強度を出した後、自然養生をしたPCパネルは、現場打ちの1.5倍にあたる1p²当り300kgf以上の圧縮強度を実現します。
(実験強度では約2.5倍の500kgf/p²を実現)

鉄筋コンクリートの特長は引っ張りに強い鉄筋と圧縮に強いコンクリートが一体化することで理想的な構造材となることですが、大きな圧縮強度を持つということはコンクリートが密実になり内部の鉄筋とより強力に付着して一体化することを意味します。

法定耐用年数

法定耐用年数 47年

「作っては壊し、壊しては作る」時代から、「何世代・何家族にもわたって使い続ける」時代へ、それはあらゆる災害に耐えるWPC住宅だから対応できることなのです。

【法定耐用年数】
法定耐用年数とは税法上で定められた耐用年数のことであり、減価償却費を求めるために設けられた基準です。つまり、法定耐用年数が47年の場合、法律的にはプレキャストコンクリートは47年かけて価値を下げていくということになります。

中性化しにくいコンクリート

中性化

中性化とはコンクリートの劣化のぐあいを示す数値の1つであり、この中性化の深さが大きいほどコンクリートの劣化が進んでいるということになります。 上のグラフは30年経過したPCパネルの中性化試験データを元に解析したものですが、PCパネルの中性化が現場打ちのRCと比べると遙かに劣化スピードが遅いことがわかります。 また、この試験結果からPCパネルの耐久性が100年以上あることが証明されています。

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性能4:断熱性 高気密・高断熱のWPC工法

断面図

魔法瓶のような断熱材

水密性の高いPCパネルの外壁の目地部分は完全にシーリングされ、さらにその内側には気密性の高い発泡ウレタンが切れ目なく吹き付けられます。さらに下地材で空間をつくり石こうボードで空気を閉じこめますので、家全体は魔法ビンのように気密化され、断熱材の効果を高めます。
吹き付けられた発泡ウレタンは無数の気泡を含んでいて、非常に高い断熱性をもち、又、ウレタン層と石こうボードに閉じこめられた空気にも更に高い断熱性がありますので、両者による断熱効果は相乗的に大きくなります。
この高気密・高断熱性能が外気温の影響を受けにくい室内をつくり、冷暖房効率を高め、壁体内結露のない爽やかで健康的な環境を実現するのです。

※防露性能
外気に接するPCパネルの内側に断熱材が密着しているため、PCパネル両側の温度差が小さく、結露が生じません。

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性能5:遮音性 PCパネルが実現する遮音性

遮音断面

密実なコンクリートが遮音性を高める

密実なPCは重いため、薄くても非常に大きい遮音性能を持っています。又、空気を多量に含む発泡ウレタンは柔らかく、大きな吸音性能を持っています。PC壁が音をハネ返し、発泡ウレタンが音を吸収する構造なので外の音を中に入れず、中の音を外へ出さないのです。また、上下階の間にもPCパネルを採用しているため2階からの騒音にも効果があります。
<参考図は周波数1000Hz時の性能を示しています。(注:開口部がある場合は異なります)>

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WPC工法が実現する屋上庭園

様々な屋上利用を可能にするWPC工法

屋上庭園

一般的な建物はあまり重いものを乗せることを想定していませんでした。そのためピアノなどは1階で補強を施した部分しか乗せられず、また積雪の多い地域では定期的な雪降ろしが必要でした。 WPC工法は、地震の水平力に強いだけでなく、重量物を上に乗せたときにかかる鉛直力にも強いため、様々な屋上利用を可能にしているのです。その気になれば屋上に大型トラックを載せることさえも可能です。
※屋上利用の内容により別途構造計算の検討が必要な場合があります。
※屋上庭園の施工には、地上の庭園と比べて制約がありますのでご注意下さい。

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